NSXの値上がりはいつまで続く?
初代NSXはこの10年で相場の景色が一変しました。なぜ上がったのか、今後どうなるのか、そしていつ売るべきか——買取専門店の視点で整理します。
30秒でわかる結論(2026年7月10日時点)
- NSXの値上がりは本物。世界累計1.8万台超という生産台数の少なさ×海外需要が土台で、一過性のブームではなく資産価値としての評価が定着しています
- ただし2026年は「二極化」の局面。良個体・MT・限定グレードは高値圏、程度の悪い個体は調整側。当社の買取相場(目安)は300万〜5,000万円と幅があります
- タイプR系(NA1-R約480台・NSX-R約140台)は別次元。国内外で数千万円級の落札例が報じられています
- 2026年の新変数=ヘリテージワークス(復刻部品供給の開始)と部品価格の上昇。維持コストの変化が「売り時」の判断材料に加わりました
※本記事の金額はすべて当社の買取相場(目安)です。年式・グレード・走行距離・修復歴・市場動向により変動し、確定買取額をお約束するものではありません。
1990年、世界初の量産オールアルミモノコックボディを引っさげて800万円でデビューしたNSX。それから35年、中古相場は新車価格を大きく上回る水準に達し、限定グレードには数千万円の値が付く時代になりました。
「まだ上がるのか、もう天井なのか」。NSXオーナーなら誰もが気になるこの問いに、本記事では値上がりの歴史→理由→型式別の格差→今後のリスク→売り時の順で答えます。いまの型式別相場を知りたい方はNSXの買取相場ページを、相場データの詳細はNSXの相場解説記事をご覧ください。
NSXの相場はこう動いてきた
新車800万円のスーパーカーが、35年でどう評価を変えたか。節目だけ押さえれば流れが見えます。
| 時期 | NSXの相場・出来事 |
|---|---|
| 1990年 | 新車デビュー。5MT=800万円/4AT=860万円(当時のホンダ最高額) |
| 2015年頃 | 海外バイヤーによる国内良個体の買い付けが本格化。相場の上昇が始まる(当時の業界動向) |
| 2020年 | MT車は700万円級が当たり前に。限定グレードは3,000万円超の販売例が報道され始める |
| 2022年 | 2代目NC1の生産終了。初代の中古平均は約1,050万円に(媒体調査の報道) |
| 2023年 | 国内の業者間取引でタイプRが5,000万円超で落札と報道 |
| 2025年 | NSX-R(NA2)が海外オークションで1億円超の落札例(報道ベース) |
| 2026年(現在) | 当社買取相場(目安): 300万〜5,000万円。仕様・状態による二極化が進行中 |
過去の相場・落札額は各時点の報道に基づく参考情報です。報道の平均価格・落札額は主に販売価格・オークション価格であり、買取相場とは水準が異なります。現在の当社買取相場(目安)とは算出根拠も異なります。
初代NSXが高騰し続けた5つの理由
値上がりには全部「構造的な理由」があります。だから一過性では終わらない、が当社の見立てです。
① 絶対数が少ない — 世界累計1.8万台超
約15年売って世界累計1.8万台超。国内向けはその半分以下です。さらにタイプR(約480台)、NSX-R(約140台)、タイプS・S Zero(合計約240台・諸説あり)となると、世界中のコレクターが取り合う絶対数しか存在しません。
② 技術的な唯一性 — 世界初の量産オールアルミ
量産車初のオールアルミモノコック、ミッドシップNA、そして「NAで戦った最後のホンダ・スーパーカー」。代替の効かない工業遺産としての評価が、年々上がっています。
③ 海外需要 — 25年ルールの「正しい」効き方
NSXは米国でもAcura NSXとして正規販売されていたため、標準車が解禁で爆騰する構図ではありません。効いたのは日本専売だったタイプR・タイプS系と右ハンドル日本仕様。ここに海外コレクター需要が直撃し、国内の在庫が減り続けています。
④ 90年代日本車の世界的ブーム
ホンダのF1ブランドも追い風に、JDMブームの中でもNSXは「頂点」の扱い。アジア・北米の富裕層需要が国内相場を押し上げてきました。
⑤ 良個体の減少 — 売り物がない
流通台数は年々減り、タイプRに至っては国内の中古掲載がゼロになる時期もあるほど。「探しても買えない」状態そのものが相場を支えています。
同じNSXでも「値上がりの質」が違う
当社の買取相場(目安)は300万〜5,000万円。この大きな幅は、型式・仕様の格差そのものです。
NA1標準車(1990-1997・3.0L): 相場の入口。MTとATで差
リトラクタブルライトの初期型。同条件ならMTがATより高い傾向がはっきりしており、低走行車では差がさらに開きます。ただし近年はMT高騰の反動でAT車に需要が波及し、AT車も以前より売りやすくなりました。
NA2系(1997-2005・3.2L 6MT): 完成形として一段上の評価
3.2L化+6MT化されたMT車(型式NA2)は「初代の完成形」として一段高い評価。2001年12月以降の固定ヘッドライト後期はタマ数が少なく、さらに希少です。※AT車は3.2L化されず、3.0L・NA1型式のまま2005年まで併売されました。
タイプR・タイプS系: 別次元のコレクター相場
NA1タイプR(約480台)・NSX-R(約140台)・タイプS/S Zero(合計約240台・諸説あり)は、もはや通常の中古相場では語れません。数千万円級の落札例が国内外で報じられており、1台ごとに世界基準で値が決まる世界です。この領域こそ、専門店での査定が不可欠です。
ポイント: 型式ごとの現在の相場レンジはNSX買取相場ページで確認できます。本記事は「流れと売り時」、相場ページは「今の金額」と使い分けてください。
これからどうなる?強気材料と値下がりリスク
正直に両面を書きます。読むべきは「上がるか下がるか」ではなく「どの個体が上がり、どの個体が置いていかれるか」です。
強気材料
- 生産台数の少なさと良個体の海外流出は不可逆=供給は今後も減る一方
- タイプR系の海外評価はむしろ加速(2027年にはNSX-R=NA2が25年ルール解禁を迎え、新たな海外需要の波が来る可能性)
- 2代目NC1の生産終了で「初代の唯一性」が再評価された実績
- ヘリテージワークス(後述)の復刻部品供給で「直して維持できる車」になった=良個体の長期価値を下支え
値下がりリスク
- 旧車相場全体に調整の動きありとの報道。ピーク比で下げた車種も存在し、程度の悪い個体から売れ残る二極化が進行
- 金利・為替などマクロ要因次第で海外バイヤーの動きは変わる
- ヘリテージワークス(正式名称: Honda Heritage Works。2026年4月開始の復刻部品供給・レストアの公式サービス)で絶版部品が手に入るようになった一方、復刻部品や純正部品の価格は従来より大幅に高いという報告が相次いでいます。維持コストの上昇で、要整備個体は「直してから売る」が成立しにくくなり、評価が厳しくなる方向
当社の見立て:二極化が加速する
良個体・MT・限定グレードは高値圏が続き、要整備・過走行・修復歴ありは部品高騰の逆風を受ける——。「NSX全体が上がる」フェーズは終わり、個体ごとに明暗が分かれるフェーズに入ったと見ています。だからこそ、自分の1台が今どちら側にいるのかを知ることに価値があります。
NSXの売り時をどう考えるか
結論: 「相場」より「自分の個体の状態」で決めるのが正解です。
動態維持できているなら、急ぐ必要はない
ガレージ保管・整備記録あり・普段から動かしている個体は、相場の高止まりに支えられています。タイプR系なら2027年のNSX-R解禁前後の相場も見る価値があります。
維持に不安が出てきたなら、高値のうちに
復刻部品の供給は始まったものの部品単価は上がっており、NSXは「持っているだけでコストが上がる車」になりつつあります。乗る頻度が減った・次の車検や整備が重い・保管環境が悪い——1つでも当てはまるなら、状態が良いうちに査定を取るのが結果的に最も有利になりやすいです。値上がりを待つ間に劣化が進めば、その分は確実にマイナスです。
ワンポイント: 査定は無料で、売る義務はありません。「今いくらか」を把握しておくだけでも、ヘリテージプラン時代の維持判断の材料になります。
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NSXの値上がりはいつまで続く?
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最終更新: 2026年7月10日
