VAB(WRX STI)とは?基本をおさらい
「VAB」とは、2014年~2019年頃に販売されたスバルWRX STI(日本国内仕様)の型式コードです。一般的に“WRX STI VAB型”と呼ばれ、「走る楽しさ」を追求した高性能4WDスポーツセダンとして多くのファンを獲得しました。かつてのインプレッサWRXシリーズの血統を受け継ぎ、水平対向エンジン(EJ20)や左右対称AWDシステムを搭載することで、圧倒的な走行性能と安定感が魅力です。
なぜVABの中古価格が値上がりしているのか?
1. 生産終了と希少性の高まり
WRX STI(VAB型)は2019年頃をもって日本国内での生産が終了しており、新車では手に入らなくなりました。台数が限られ、「増えることのない」希少モデルになったことで中古車市場の需要が上昇し、高値がつきやすくなっています。
2. 世界的なスポーツセダン需要
北米や欧州を中心に、スポーツセダンブームやラリーファンが根強く存在します。WRX STIは海外人気も非常に高く、海外バイヤーが日本国内の良質個体を狙うことで国内在庫が減り、相場が上がっている側面も。
3. スバルのブランドイメージ向上
近年、スバルの安全技術「アイサイト」や高い走行安定性が認知され、ブランド全体の価値が高まっている点も見逃せません。WRX STIはスバルの技術力とスポーツ性能の象徴的モデルとして、今なお評価が上昇傾向にあります。
4. 実質的な「最後のEJ20搭載STI」
EJ20エンジンを搭載するSTIモデルは、VAB型で事実上最終。ファイナルエディション(RA-Rなど)は特に人気が高く、後期型・限定モデルの希少性がさらに相場を押し上げています。
VAB中古車の相場動向と傾向
VABの中古価格は走行距離やグレード、状態によって大きく変動しますが、以下は一般的な傾向です。
- 走行距離5万km以下の極上車両:300万円台後半~500万円台
- 走行距離10万km前後の標準的な状態:250万~300万円程度
- 限定車・特別仕様(RA-R、S208など):600万円オーバーのプレミア価格も
特に限定モデルや極上コンディションの後期型は、以前よりも明らかに値上がりしており、今後も大幅な値崩れは起きにくいと予想されます。
今後の価格はどうなる?将来展望
短期的には高値維持が続く可能性大
- 生産終了によるプレミア感
- 海外需要の継続
- 電動化への移行前に“ガソリン車らしい走り”を求める層
これらの要因から、VAB型はしばらく高値をキープする可能性があります。
中長期的にはEV化や世代交代の影響も
電動化や新世代スポーツモデルの台頭により、ガソリンエンジンスポーツセダンへの需要が将来落ち着くかもしれません。一方で、“最後のEJ20”というレアリティは長期的な資産価値を生む可能性も高く、今後も一定の需要が続くでしょう。
高く売りたいなら?オススメのポイント
- 整備記録・マニュアル類の完備
VABは高性能車ゆえメンテナンスが重要。定期点検や部品交換履歴をしっかり残すことで査定アップにつながります。 - ノーマルパーツの保持
チューニングや社外パーツを装着している場合でも、純正パーツを保管していると査定が有利になります。海外バイヤーやコレクターは純正状態を好む傾向が強いです。 - 複数の買取業者・海外向け査定の比較
スポーツカー専門業者や海外バイヤーとのネットワークを持つ業者に相見積もりを取りましょう。一般的な下取りより高値が期待できます。
安く買いたい場合の攻略法
- 走行距離がやや多い個体を狙う
10万kmを超えていると相場は下がりやすいですが、エンジンや足回りをきちんとメンテしてあれば走行性能に大きな問題は出にくいです。 - グレード・年式を幅広く検討
スペックCやS207/S208など限定モデルにこだわらなければ、通常のSTIグレードでも十分楽しめます。選択肢を広げると値ごろ感のある個体と出会える可能性大。 - 専門店やSNSコミュニティで情報収集
WRX STIオーナーが集うSNSやクラブなどでは、掘り出し物情報が出てくることも。個人売買はリスクもあるため、しっかりと状態確認しましょう。
まとめ:VABは“最後のEJ20”としての希少性が魅力
VAB(WRX STI)は、生産終了や海外需要、そしてEJ20最終モデルとしての希少性などが重なり、中古相場が上昇中の注目車種です。今後も大きな値崩れが起きにくい可能性が高く、資産的価値も期待できる1台と言えます。高く売りたいオーナーは整備履歴や純正状態を重視し、複数の査定を比較。購入を考える場合は相場変動に注意しながら、状態と価格のバランスを見極めるのがポイントです。