日産フェアレディZ34の性能や特徴、グレード、新車価格について詳しく解説
日産フェアレディZ34は、2008年から2020年まで生産されたスポーツカーで、フェアレディZシリーズの6代目モデルです。Z34は、前モデルのZ33から大幅に進化し、よりパワフルなエンジンと洗練されたデザインが特徴です。これにより、スポーツカーとしての性能をさらに高めながら、日常使いでも快適に運転できるバランスを追求したモデルとなっています。
日産フェアレディZ34とは?
フェアレディZ34は、3.7L V6エンジン(VQ37VHR)を搭載し、パワフルかつレスポンスの良いドライビングを提供します。このエンジンは、日産が誇るVQエンジンシリーズの最新世代であり、可変バルブリフト(VVEL)システムを採用し、幅広い回転域で力強いトルクを発揮します。また、Z34は、Z33と比較して全長が短く、ホイールベースも短縮されたことで、より俊敏なハンドリングと安定性を実現しています。デザイン面では、筋肉質なボディラインと力強いスタンスが特徴で、フェアレディZの伝統を受け継ぎつつ、モダンでアグレッシブなスタイルを採用しています。
フェアレディZ34の車両スペック詳細
日産フェアレディZ34の主要スペックを以下にまとめました。
項目 | 情報 |
---|---|
型式 | Z34 |
生産期間 | 2008年 – 2020年 |
新車価格 | 約370万円 – 500万円 |
排気量 | 3.7L |
馬力 | 331hp – 350hp |
最大トルク | 366Nm – 374Nm |
最高速 | 250km/h(リミッター解除時) |
0-100km/h加速 | 約5.2秒 |
駆動方式 | FR(後輪駆動) |
車両重量 | 約1,520kg – 1,580kg |
フェアレディZ34は、その強力なエンジンと最適化されたシャシーにより、卓越したパフォーマンスを発揮し、スポーツカーとしての魅力をさらに高めています。
フェアレディZ34のグレードとバリエーション
フェアレディZ34には、いくつかのグレードとバリエーションが存在します。
ベースモデル
ベースモデルは、VQ37VHRエンジンを搭載し、6速マニュアルトランスミッションを標準装備しています。このモデルは、スポーツカーとしての基本性能をしっかりと押さえた仕様で、軽量なボディとパワフルなエンジンの組み合わせにより、優れたパフォーマンスを提供します。
バージョンST
バージョンSTは、スポーツ性能と快適装備を兼ね備えたモデルで、レザーシートやBOSEサウンドシステム、専用の19インチホイールが標準装備されています。また、スポーツサスペンションやブレンボ製ブレーキも装備されており、より高いパフォーマンスを求めるドライバーに最適です。
バージョンNISMO
バージョンNISMOは、NISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)がチューニングを施した高性能モデルです。専用のエアロパーツやサスペンション、エキゾーストシステムが装備され、エンジン出力も強化されています。このモデルは、サーキット走行を意識した仕様となっており、Z34の中でも最もパフォーマンス志向が強いバージョンです。
ロードスター
フェアレディZ34には、電動ソフトトップを装備したロードスターモデルもあります。オープンエアのドライビングを楽しむことができるこのモデルは、スタイリッシュなデザインと快適な装備が特徴です。
フェアレディZ34の技術的特徴
Z34には、日産の最新技術が多数採用されており、その中でも特筆すべき技術を紹介します。
VQ37VHRエンジン
Z34に搭載されているVQ37VHRエンジンは、3.7L V6エンジンで、可変バルブリフト(VVEL)システムを採用しています。これにより、低回転域から高回転域まで滑らかなパワーデリバリーを実現し、燃費性能も向上しています。
シンクロレブコントロール
Z34の6速マニュアルトランスミッションには、シンクロレブコントロールという技術が採用されています。これは、シフトダウン時にエンジン回転数を自動で調整し、スムーズなギアチェンジを可能にするシステムです。これにより、ドライバーはより自然なシフト操作ができ、スポーツドライビングを楽しめます。
ダブルウィッシュボーンサスペンション
Z34は、前後ともにダブルウィッシュボーン方式のサスペンションを採用しており、優れたハンドリングとコーナリング性能を提供します。このサスペンションは、スポーツ走行時の安定性とグリップ力を最大限に引き出すために設計されています。
フェアレディZ34の燃費や維持費について
フェアレディZ34は高性能車であるため、燃費や維持費が比較的高めとなる傾向にあります。
燃費
Z34の燃費は、一般的には約7〜10km/L程度です。特にV6エンジンを高回転で回すと燃費が悪化しやすいため、燃費面での注意が必要です。
維持費
Z34の維持費は、特に高性能車であるため、メンテナンス費用が高額になることが予想されます。エンジンやトランスミッション、サスペンションなどの重要な部品の交換や修理には、かなりの費用がかかることがあります。また、ブレーキパッドやタイヤなどの消耗品も頻繁に交換が必要です。
自動車税
フェアレディZ34の自動車税は以下の通りです。
排気量 | 税額 |
---|---|
3,700cc | 66,500円 |
なお、自動車税は排気量と車齢に基づいて計算され、年々増加する可能性があります。
フェアレディZ34制作秘話/こだわりや特徴
Z34の開発には、日産のエンジニアがスポーツカーとしての性能を追求し、様々な工夫と技術を投入しました。
デザインの進化
フェアレディZ34のデザインは、筋肉質で力強いボディラインが特徴で、フェアレディZシリーズの伝統を受け継ぎつつ、現代的なスタイルを実現しています。フロントの大型グリルとリアのダックテール形状のトランクは、Z34のアイデンティティを際立たせています。
ドライビングプレジャーの追求
Z34は、単なる移動手段としての車ではなく、ドライビングそのものを楽しむためのスポーツカーとして設計されています。エンジニアたちは、エンジンのフィーリングやサスペンションのセッティング、ステアリングのレスポンスに至るまで、細部にわたってこだわり抜き、ドライバーが操る楽しさを最大限に引き出しています。
特別仕様車の展開
フェアレディZ34には、国内外で様々な特別仕様車が販売されており、それぞれが独自の魅力を持っています。特に「バージョンNISMO」は、NISMOの技術が凝縮されたモデルで、より高いパフォーマンスと専用装備を提供します。
世界中で人気とされるフェアレディZ34の魅力とは?
フェアレディZ34は、そのパフォーマンスとデザインから、世界中で多くのファンに愛されています。
高いチューニングポテンシャル
Z34は、そのVQ37VHRエンジンとシャシーが非常に高いチューニングポテンシャルを持っており、エンジン出力の向上やサスペンションの強化、ブレーキシステムのアップグレードなど、多くのカスタマイズが可能です。このため、世界中のカスタムカーシーンで人気があります。
クラシックカーとしての価値
フェアレディZ34は、近年ではクラシックカーとしての価値が高まりつつあり、特に状態の良い車両はコレクターズアイテムとして注目されています。今後もその価値が上昇する可能性が高く、投資対象としても人気があります。
ポップカルチャーでの影響
Z34は、映画やビデオゲーム、アニメなどのポップカルチャーにも数多く登場しており、その存在感を示しています。特に『ワイルド・スピード』シリーズや『グランツーリスモ』シリーズでの登場により、若い世代にも広く認知され、フェアレディZシリーズの人気を支えています。
中古車市場の価格
フェアレディZ34は、希少性と人気から、中古車市場で高値で取引されることが一般的です。
日本国内の場合:
- 走行距離が少なく、良好な状態の車両は、250万円〜400万円程度で取引されることが多いです。
- 走行距離が多く、修復歴のある車両でも、150万円〜250万円程度で取引されることが一般的です。
海外市場の場合:
- フェアレディZ34は、特にアメリカやヨーロッパで高い需要があり、日本よりも高額で取引されることがあります。特に状態の良いモデルや特別仕様車は高値がつく傾向にあります。
歴代フェアレディZシリーズ一覧
フェアレディZシリーズは、日産を代表するスポーツカーラインアップとして、長年にわたり進化を続けてきました。以下に歴代フェアレディZシリーズの一覧を示します。
- 初代(S30型) – フェアレディZ 240Z/260Z/280Z(1969年-1978年)
- 2代目(S130型) – フェアレディZ 280ZX(1978年-1983年)
- 3代目(Z31型) – フェアレディZ 300ZX(1983年-1989年)
- 4代目(Z32型) – フェアレディZ 300ZX(1989年-2000年)
- 5代目(Z33型) – フェアレディZ 350Z(2002年-2008年)
- 6代目(Z34型) – フェアレディZ 370Z(2008年-2020年)
- 7代目(RZ34型) – フェアレディZ(2022年-)
Z34は、この歴史の中でフェアレディZシリーズの進化を象徴するモデルとして、その名を刻んでいます。
まとめ
フェアレディZ34は、日産が誇るスポーツカーシリーズの中でも特に高い評価を受けているモデルで、その現代的なデザインと高性能なエンジンにより、世界中で多くのファンに愛されています。今後もその価値を高め続けることが期待される、まさにクラシックカーとしての魅力を持つ車です。