トヨタ80スープラの性能や特徴、グレード、新車価格について詳しく解説
トヨタ80スープラ(A80型)は、1993年から2002年にかけて生産されたスポーツカーで、スープラシリーズの第4世代モデルとして登場しました。A80スープラは、トヨタの技術の粋を結集したモデルであり、その卓越した性能とスタイリッシュなデザインにより、世界中で多くのファンを魅了し続けています。特に、2JZエンジンを搭載したことで、パフォーマンスカーとしてのステータスを確立しました。
トヨタ80スープラとは?
80スープラは、トヨタがA70型スープラの後継モデルとして開発したスポーツカーで、エンジニアリングとデザインの両面で大幅な進化を遂げました。特に注目すべきは、3.0L直列6気筒ターボエンジン「2JZ-GTE」を搭載したモデルで、このエンジンは非常に高い耐久性とチューニングポテンシャルを持ち、多くのモータースポーツ愛好者やカスタムカー愛好家から絶大な支持を受けています。エアロダイナミクスも大幅に改善され、特にリアウイングとフロントスポイラーは、空力性能を向上させるために設計されています。
トヨタ80スープラの車両スペック詳細
トヨタ80スープラの主要スペックを以下にまとめました。
項目 | 情報 |
---|---|
型式 | A80 |
生産期間 | 1993年 – 2002年 |
新車価格 | 約400万円 – 550万円 |
排気量 | 3.0L |
馬力 | 280hp(日本仕様)/ 320hp(米国仕様) |
最大トルク | 431Nm |
最高速 | 250km/h(リミッター解除時) |
0-100km/h加速 | 約4.9秒 |
駆動方式 | FR(後輪駆動) |
車両重量 | 約1,500kg – 1,570kg |
80スープラは、その強力なエンジンと空力に優れたボディにより、スポーツカーとしての非常に高いパフォーマンスを発揮します。
トヨタ80スープラのグレードとバリエーション
80スープラには、いくつかのグレードとバリエーションが存在します。
RZ
RZは、80スープラの中で最も高性能なグレードで、2JZ-GTEエンジンを搭載しています。このモデルは、ツインターボチャージャーにより280馬力を発揮し、高速道路やサーキットで圧倒的なパフォーマンスを誇ります。6速マニュアルトランスミッションを標準装備しており、エンスージアストから特に高い評価を受けています。
RZ-S
RZ-Sは、RZの派生モデルで、同じく2JZ-GTEエンジンを搭載していますが、装備やインテリアがやや簡素化されており、価格も抑えられています。オートマチックトランスミッションを選択することも可能で、スポーティさと実用性を両立させたモデルです。
SZ-R
SZ-Rは、2JZ-GEエンジンを搭載した自然吸気モデルで、NA(ノンターボ)エンジンによる滑らかな加速が特徴です。このモデルは、ターボモデルと比較して軽量であり、優れたハンドリング性能を提供します。特にワインディングロードでの走行を楽しみたいドライバーに人気があります。
SZ
SZは、SZ-Rと同様に2JZ-GEエンジンを搭載していますが、よりベーシックな装備と価格帯で提供されています。スポーツカーとしての基本性能を押さえつつ、日常的な使い勝手を重視したモデルです。
エアロトップ
80スープラには、ルーフパネルを取り外してオープンエアのドライビングが楽しめる「エアロトップ」モデルも存在します。エアロトップは、クーペのスタイリッシュさとオープンカーの爽快感を両立させたバリエーションで、特にアメリカ市場で高い人気を誇りました。
トヨタ80スープラの技術的特徴
A80スープラには、トヨタの先進技術が多数採用されており、その中でも特筆すべき技術を紹介します。
2JZ-GTEエンジン
A80スープラの最も注目すべき特徴は、3.0L直列6気筒ターボエンジン「2JZ-GTE」です。このエンジンは、280馬力を発揮し、その強力なトルクと耐久性は伝説的です。また、エンジンのチューニングポテンシャルが非常に高く、1000馬力以上にまでパワーアップすることが可能なため、カスタムカーシーンでも非常に人気があります。
空力性能
A80スープラのデザインは、空力性能を徹底的に追求しています。特にリアウイングやフロントスポイラーは、風洞実験を通じて最適化されており、高速走行時の安定性を大幅に向上させています。これにより、A80スープラはサーキットや高速道路でのパフォーマンスが一段と向上しました。
ブレーキとサスペンション
A80スープラは、ブレンボ製の大径ブレーキディスクを装備し、強力な制動力を発揮します。また、サスペンションにはダブルウィッシュボーンを採用しており、優れたハンドリングとコーナリング性能を提供します。これにより、スポーツカーとしての俊敏な走りを実現しています。
トヨタ80スープラの燃費や維持費について
A80スープラは高性能車であるため、燃費や維持費が比較的高めとなる傾向にあります。
燃費
80スープラの燃費は、一般的には約6〜9km/L程度です。特にツインターボモデルでは、エンジンを高回転で回すと燃費が悪化しやすいため、燃費面での注意が必要です。
維持費
80スープラの維持費は、特に古い車両であることから、メンテナンス費用が高額になることが予想されます。エンジンやトランスミッション、サスペンションなどの重要な部品の交換や修理には、かなりの費用がかかることがあります。また、部品の入手が難しくなっているため、維持には専門の整備工場が必要です。
自動車税
80スープラの自動車税は以下の通りです。
排気量 | 税額 |
---|---|
3,000cc | 51,000円 |
なお、自動車税は排気量と車齢に基づいて計算され、年々増加する可能性があります。
トヨタ80スープラ制作秘話/こだわりや特徴
A80スープラの開発には、トヨタのエンジニアがスポーツカーとしての性能を追求し、様々な工夫と技術を投入しました。
2JZエンジンの開発背景
2JZ-GTEエンジンは、トヨタが高性能スポーツカー市場においてリーダーシップを確立するために開発されたもので、特に耐久性と高出力を重視して設計されました。このエンジンは、モータースポーツでの使用やチューニング市場を強く意識しており、1000馬力以上にまでチューニングできるポテンシャルを持つことから、世界中のチューニングファンから愛されています。
レースへの参戦と成功
A80スープラは、国内外のレースシーンでも成功を収めました。特に、全日本GT選手権(JGTC)では、スープラが多数の優勝を果たし、トヨタのモータースポーツの象徴となりました。レースでの成功は、A80スープラのパフォーマンスと信頼性を証明し、スポーツカーとしての地位を不動のものとしました。
世界中で人気とされるトヨタ80スープラの魅力とは?
A80スープラは、そのパフォーマンスとデザインから、世界中で多くのファンに愛されています。
映画『ワイルド・スピード』の影響
A80スープラが世界的に有名になった要因の一つは、映画『ワイルド・スピード』シリーズです。この映画で登場したスープラは、パフォーマンスカーとしての象徴的な存在となり、多くの若者にスープラの魅力を広めるきっかけとなりました。
高いチューニングポテンシャル
A80スープラは、そのエンジンとシャシーが非常に高いチューニングポテンシャルを持っており、エンジン出力の向上やサスペンションの強化、ブレーキシステムのアップグレードなど、多くのカスタマイズが可能です。このため、世界中のカスタムカーシーンで人気があります。
クラシックカーとしての価値
80スープラは、近年ではクラシックカーとしての価値が高まりつつあり、特に状態の良い車両はコレクターズアイテムとして注目されています。今後もその価値が上昇する可能性が高く、投資対象としても人気があります。
中古車市場の価格
トヨタ80スープラは、希少性と人気から、中古車市場で高値で取引されることが一般的です。
日本国内の場合:
- 走行距離が少なく、良好な状態の車両は、400万円〜800万円程度で取引されることが多いです。
- 走行距離が多く、修復歴のある車両でも、300万円〜500万円程度で取引されることが一般的です。
海外市場の場合:
- A80スープラは、特にアメリカやヨーロッパで高い需要があり、日本よりも高額で取引されることがあります。特に状態の良いターボモデルや特別仕様車は高値がつく傾向にあります。
歴代トヨタスープラシリーズ一覧
トヨタスープラシリーズは、トヨタを代表するスポーツカーラインアップとして、長年にわたり進化を続けてきました。以下に歴代スープラシリーズの一覧を示します。
- 初代(A40/A60型) – セリカXX(1978年-1986年)※北米ではスープラとして販売
- 2代目(A60型) – セリカXX/スープラ(1981年-1986年)
- 3代目(A70型) – スープラ(1986年-1993年)
- 4代目(A80型) – スープラ(1993年-2002年)
- 5代目(A90型) – スープラ(2019年-)
A80スープラは、この歴史の中で最も象徴的なモデルの一つであり、その後のスープラシリーズにも大きな影響を与えました。
まとめ
トヨタ80スープラは、1990年代のスポーツカーシーンを代表するモデルであり、その高い性能と洗練されたデザインにより、世界中で多くのファンに愛されています。今後もその価値を高め続けることが期待される、まさにクラシックカーとしての魅力を持つ車です。