R34 GT-Rのグレードによる違いや性能、特徴、新車価格について詳しく解説
R34 GT-Rは、1999年から2002年まで日産自動車が生産した高性能スポーツカーで、スカイラインGT-Rシリーズの最終モデルとして登場しました。R32 GT-Rから続く伝統を受け継ぎ、さらに進化したRB26DETTエンジンと先進的な技術が投入されたこのモデルは、日産が誇る「GT-R」ブランドの集大成とされ、現在でも世界中のカーボーイから高い評価を受けています。
日産R34 GT-Rとは?
R34 GT-Rは、R32やR33と同様、RB26DETTエンジンを搭載しながらも、さらに洗練された性能とデザインが特徴です。特に、走行性能の向上と共に、車両の情報をリアルタイムで確認できるマルチファンクションディスプレイ(MFD)が装備され、ドライバーにより多くの情報を提供することが可能となりました。R34 GT-Rは、そのバランスの取れた性能と現代的な装備で、日産が誇る最高峰のスポーツカーとして位置づけられています。
R34 GT-Rの車両スペック詳細
R34 GT-Rの主要スペックを以下にまとめました。
項目 | 情報 |
---|---|
型式 | BNR34 |
生産期間 | 1999年 – 2002年 |
新車価格 | 約500万円(1999年当時) |
排気量 | 2.6L |
馬力 | 280hp(メーカー公称) |
最大トルク | 392Nm |
最高速 | 250km/h(リミッター解除時) |
0-100km/h加速 | 約5.2秒 |
駆動方式 | 4WD(ATTESA E-TS Pro) |
車両重量 | 約1,560kg |
R34 GT-Rは、RB26DETTエンジンとATTESA E-TS Proを採用し、R33 GT-Rと比較してさらに高いレスポンスとハンドリング性能を実現しています。
R34 GT-Rのグレードとバリエーション
R34 GT-Rには、いくつかの特別仕様車やバリエーションが存在します。
標準モデル
標準仕様のR34 GT-Rは、RB26DETTエンジンと先進的な4WDシステム、電子制御サスペンションを装備し、スポーティな走行を楽しむための装備が充実しています。
Vスペック
Vスペックは、R34 GT-Rのハイパフォーマンスバージョンで、より精密なサスペンションチューニングやブレンボ製ブレーキシステムが標準装備されています。これにより、サーキットでのパフォーマンスがさらに向上しています。
VスペックII
VスペックIIは、Vスペックをさらに強化したモデルで、カーボンファイバー製ボンネットや専用サスペンションが特徴です。軽量化と剛性強化が図られ、より高いレベルのドライビングが可能となっています。
Nurバージョン
Nurバージョンは、R34 GT-Rの最終生産モデルとして2002年に限定発売されたモデルで、「VスペックII Nur」と「M-spec Nur」の2種類が存在します。このモデルには、N1仕様のRB26DETTエンジンが搭載され、より高出力化が図られています。また、専用のインテリアやボディカラーが施され、プレミアムな仕上がりとなっています。
R34 GT-Rの技術的特徴
R34 GT-Rには、先代モデルから継承された技術に加えて、新たな先進技術が導入されています。
RB26DETTエンジン
R34 GT-Rには、伝統のRB26DETTエンジンが搭載されており、ツインターボにより280馬力を発揮します。エンジンには、さらに精密な制御が施され、レスポンスと信頼性が向上しています。
ATTESA E-TS Pro
R34 GT-Rには、前後トルク配分をリアルタイムで最適化する電子制御4WDシステム「ATTESA E-TS Pro」が搭載されています。このシステムは、ドライバーがどのような路面状況でも安定した走行を楽しめるように設計されています。
Super-HICAS
R34 GT-Rにも、四輪操舵システム「Super-HICAS」が採用されていますが、R33 GT-Rよりもさらに制御が進化し、コーナリング性能が向上しています。
マルチファンクションディスプレイ(MFD)
R34 GT-Rの最大の特徴の一つが、センターコンソールに装備されたマルチファンクションディスプレイ(MFD)です。このディスプレイは、ターボブースト圧や油温、水温、Gフォースなど、走行中の様々なデータをリアルタイムで表示し、ドライバーに重要な情報を提供します。
R34 GT-Rの燃費や維持費について
R34 GT-Rは高性能車であるため、燃費や維持費が比較的高くなる傾向にあります。
燃費
R34 GT-Rの燃費は、一般的には約5〜8km/L程度です。RB26DETTエンジンと4WDシステムの影響で、燃費はやや低めですが、高性能スポーツカーとしては標準的な数値です。
維持費
R34 GT-Rの維持費は、特に古い車両であることから、メンテナンス費用が高額になることが予想されます。特に、エンジンやトランスミッション、電子制御システムのメンテナンスや修理にはかなりの費用がかかることがあります。また、ブレーキパッドやタイヤなどの消耗品も頻繁に交換が必要です。
自動車税
R34 GT-Rの自動車税は以下の通りです。
排気量 | 税額 |
---|---|
2,600cc | 45,000円 |
なお、自動車税は排気量と車齢に基づいて計算され、年々増加する可能性があります。
R34 GT-R制作秘話/こだわりや特徴
R34 GT-Rの開発は、日産のエンジニアリングの集大成として行われ、その過程で多くのこだわりが詰め込まれました。
さらなる性能の追求
R34 GT-Rは、R33 GT-Rからの進化を図り、より高い性能を実現することを目指して開発されました。エンジニアたちは、エンジンの精密なチューニングや車体剛性の強化に力を注ぎ、サーキットでのラップタイム短縮を目標としました。
ドライバーと車の一体感
R34 GT-Rの開発には、ドライバーと車との一体感を追求するための技術が多く採用されています。特に、MFDによってドライバーがリアルタイムで車両の状態を把握できることは、運転の楽しさを一層高める要素となっています。
特別仕様車の価値
R34 GT-Rには、多くの特別仕様車が存在し、その中でも「Nurバージョン」は特に希少価値が高いモデルです。このモデルは、日産のレース技術をフィードバックしたN1仕様のエンジンを搭載し、限定的な生産台数でコレクターズアイテムとなっています。
世界中で人気とされるR34 GT-Rの魅力とは?
R34 GT-Rは、その性能とデザインから、世界中で多くのファンに愛されています。
モータースポーツでの実績
R34 GT-Rは、国内外のモータースポーツで数々の成功を収め、特に耐久レースでの優れた成績がその信頼性と性能を証明しています。GT500やル・マン24時間レースでの活躍は、R34 GT-Rの名声をさらに高めました。
チューニングの自由度
R34 GT-Rは、非常に高いチューニングポテンシャルを持つ車両として知られています。エンジン出力の向上やサスペンションの調整、ブレーキシステムの強化など、様々なカスタマイズが可能で、世界中のカスタムカーシーンで人気があります。
クラシックカーとしての価値
R34 GT-Rは、現代ではクラシックカーとしての価値が高まりつつあり、特に状態の良い車両はコレクターズアイテムとして高額で取引されることが多いです。今後もその価値が上昇する可能性が高く、投資対象としても注目されています。
中古車市場の価格
R34 GT-Rは、希少性と人気から、中古車市場で高値で取引されることが一般的です。
日本国内の場合:
- 走行距離が少なく、良好な状態の車両は、1,000万円〜3,000万円程度で取引されることが多いです。
- 走行距離が多く、修復歴のある車両でも、800万円〜1000万円程度で取引されることが一般的です。
海外市場の場合:
- R34 GT-Rは、特にアメリカやオーストラリアで高い需要があり、日本よりも高額で取引されることがあります。
- 特に「VスペックII Nur」や「M-spec Nur」などの希少なバリエーションは、3,000万円を超える価格で取引されることもあります。
R34 GT-Rの国際的な影響と文化的な価値
R34 GT-Rは、その高性能と信頼性により、世界中で特別な存在となり、モータースポーツやカーボーイカルチャーに深い影響を与えています。
国際的なモータースポーツへの影響
R34 GT-Rは、全日本GT選手権やル・マン24時間レースなど、国内外のモータースポーツイベントで優れた成績を収め、その性能を証明しました。この成功が、GT-Rブランドの信頼性をさらに高め、世界中のモータースポーツファンからの支持を得ています。
ポップカルチャーとGT-R
R34 GT-Rは、映画やビデオゲーム、アニメなどのポップカルチャーにも数多く登場しており、その存在感を示しています。特に『ワイルド・スピード』シリーズや『グランツーリスモ』シリーズでの登場により、若い世代にも広く認知され、GT-Rブランドの普及に貢献しました。
まとめ
R34 GT-Rは、日産のGT-Rシリーズの集大成として開発され、その高い性能と先進的な技術により、世界中で高く評価されています。R34 GT-Rは、今後もその価値を高め続けることが期待される、まさに伝説的なスポーツカーです。
歴代GT-R一覧
R34 GT-Rは、日産のGT-Rシリーズの進化の終着点となるモデルであり、その後のR35 GT-Rへとバトンを渡しました。以下に、歴代GT-Rの一覧を示します。
- 初代GT-R (ハコスカ) – PGC10/KPGC10型(1969年-1972年)
- 2代目GT-R (ケンメリ) – KPGC110型(1973年)
- 3代目GT-R (R32) – BNR32型(1989年-1994年)
- 4代目GT-R (R33) – BCNR33型(1995年-1998年)
- 5代目GT-R (R34) – BNR34型(1999年-2002年)
- 6代目GT-R (R35) – CBA-R35型(2007年-現在)
R34 GT-Rは、この歴史の中で「GT-R」ブランドの進化と頂点を象徴するモデルとして、その名を刻んでいます。